恩赦とはどういう制度で何のためにある?簡単に分かりやすく解説!

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正義の天秤


平成は30年までで今上天皇が退位され、皇太子さまが次の天皇になることが決まりましたよね。 

「平成も30年で終わりなのかぁ・・」とか「昭和って長かったんだなぁ」 

なんていろんな感想も持ちますが気になるニュースが。 


今上天皇の退位に伴って法務省が恩赦の実施を検討しているとのこと。 


恩赦って私のイメージでは戦争していた頃によく行われていたのかな~とか 

大韓航空機爆破事件の金賢姫さんが恩赦で釈放されたとかその程度の知識なんですよ。 


それがまさか現代でもあるんだ!ってちょっとビックリ。 

しかも冤罪は未だにあるものの、証拠の信頼性とかも上がっている現代で恩赦って必要なの?とも思うわけです。 


今回は恩赦とはどんな制度で何のためにあるのかを簡単に解説したいと思います! 



恩赦とは?定義を簡単に解説!


疑問


恩赦とは恩赦法という法律で定められています。 

だいぶ簡単に言うと罪を犯して服役している人を無罪放免にしたり、減刑したり、何かの資格停止を解除したりしてあげることを恩赦と言います。 


さらに大きく「政令恩赦」と「個別恩赦」に分かれています。 

・政令恩赦:政令で罪や刑の種類、基準日などを定めて一律実施する 

・個別恩赦:個人の申し出により中央更生保護審査会が審査する 



恩赦には5つあり、すべてひっくるめて「恩赦」と呼んでいますが、それぞれは条件が違います。 


[大赦]

政令で罪の種類を定めて行われる。

有罪判決を受けている者は有罪の言い渡しの効力が消滅、判決が出ていない者については公訴権が消滅。 

つまり、政令で決められた罪に問われている人は無罪放免ということ。 


[特赦]

有罪になった特定の人に対して行われ、有罪判決の効力が無くなる。 

個別恩赦で申し出が認められた場合が特赦に当たる。 


[減刑]

刑を軽くすること。

政令で罪や刑の種類を決めて行う「一般恩赦」と特定の者に対して行う「個別減刑」がある。 


[刑の執行免除]

特定の者に対して行われる。 

有罪判決が確定した刑についてその執行が免除される。 


[復権]

有罪判決を受けたため資格を喪失、または停止された者の資格を回復するもの 。 

日本の場合、公職選挙法違反に対する選挙権の復権が多い。 



簡単に解説って言ったくせにややこしい!と思われたかも知れませんが、とどのつまり何かの記念に無罪にしてあげたり刑を軽くしてあげますよってことなんですよ。 


「は?有罪になった人を何で許すの?捕まえた意味ないじゃん!」 


って思いますよね。私も思います。 

一応恩赦にも大義名分があるのでそっちを見てみましょうか。 


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恩赦とは何のためにある制度なの?


寄り添うハート


恩赦とはもともと王様などの君主の権限なんですよね。 

国家的な慶弔時(王様が結婚したとか亡くなったとか)そういう時に行われる言わばお慈悲だったものです。 

日本では江戸時代の5代将軍・綱吉の「生類憐れみの令」が悪法と名高いですが、それを無くす時に「ごめんね」という意味合いも込めて行われたこともあります。 


つまり「王様のお慈悲」か「前の君主が悪くてごめんね」って時の特別な赦し(ゆるし)だと言うことです。 


これを聞くと「昔はそれで良かったかも知れないけどさぁ」って思いますよね。 

それに三権分立の日本では司法が決めたことを政治が覆すわけですから干渉とも言えますよね。 


だから現在の日本では恩赦は慎重に行われなければならないとされていて、どういう場合に適用するべきかも一応方針があります。 


[誤判の救済のための恩赦]

冤罪事案でも有罪になると再審手続きは厳しく、法律では救済できない場合は恩赦で救済される。 

ただしこの場合は有罪が無罪になるわけではなく、名誉の回復が図れるかは疑問。 


[社会の変化や事情変更に基づく恩赦]

有罪判決当時は妥当でも受刑中に社会の変化で「ちょっと前の判決は問題だよね」となった場合の救済。 

例えば治安維持法とか国家総動員法など戦争関連で多く恩赦が適用された例がこれに当たる。 


[受刑者の事後の行状に基づく恩赦]

有罪判決を受けて服役中の者が「だいぶ改心している」でもまだ相当長期刑だ、といった場合に社会復帰を目的として行われる。 

仮釈放とは違って即服役終了になる。 


このように誰から見ても納得できる場合に恩赦が行われる場合があるということですね。 


日本では恩赦が行われたのはいつ?


カレンダー


今の憲法の下行われた恩赦はけっこうあるんですよ。 

基本的に天皇家の慶弔時や国家的な記念に恩赦が行われていますね。 

昭和27年4月28日:平和条約発効 

昭和27年11月10 日:皇太子殿下(明仁親王)立太子礼 

昭和31年12月19 日:国際連合加盟 

昭和34年4月10日:皇太子殿下(明仁親王)御成婚 

昭和43年11月1日:明治百年記念 

昭和47年5月15日:沖縄復帰 

平成元年2月24日:昭和天皇御大喪 

平成2年11月12日:今上天皇御即位 

平成5年6月9日:皇太子殿下(徳仁親王)御成婚 



今回、今上天皇のご退位に伴って恩赦が行われる場合は、現在の皇太子さまと雅子さまのご成婚のときに恩赦が行われて以来となりますね。 

もう20年以上前になるので「恩赦」という言葉すら日本人は忘れかけているような気もします。 


今回行われるとしたらどんな風に罪の種類や対象者が決められるのかすごく気になりますね。 

前回の時は70%以上が公職選挙法違反の恩赦だったようですが。 

公職選挙法違反がたくさん許されるって言うのもなんか不公平というか、何のために逮捕したのっていうか、結局身内に甘いのかって思っちゃいますね。 


まとめ

もし今回恩赦が行われるとしたらどんな議論になるのか興味がありますね。 

有罪判決を受けた人を赦したり減刑するということは、今の時代受け入れられないんじゃないかと思うんですが。 

それこそ「何で証拠に基づいて有罪になってるのに許されるの?逮捕した意味は?」ってなりますよね。 


本当に大義名分の納得できる理由がある人が許されるなら分かります。 

でも必ずしもそうではなく「お慈悲」的に恩赦が行われるとしたらなかなか受け入れがたいかな~個人的に。 


では今回のまとめ! 

・今上天皇のご退位で恩赦が行われれば20年以上ぶり 

・恩赦とはザックリ言うと「有罪を無効にしたり刑を軽くしたりすること」 



議論が巻き起こるのか、しれっと恩赦が決定してしれっと実行されるのかそこもちゃんと見ておこうっと。 





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